望京

 北京で韓国人が特に集まっている場所が「望京」と呼ばれる北四環路東北に位置する場所である。今、この望京に大型店舗が二つ登場。ひとつは4月7日に正式開店した「華堂」こと日本のイトーヨーカドーで、もうひとつは4月12日に正式開店する「宜家家具」ことスウェーデンIKEAである。我が家付近は地下鉄工事によってスーパーや農貿市場、レストランが軒並み立ち退きになってちょっとした買い物すら不自由になったので、望京は便利になって羨ましい限り。
 望京は韓国人が集まっていることもあり、韓国料理屋や韓国系美容院が沢山あり、韓国食品もたやすく手に入る。大抵韓国語を話せる朝鮮族の服務員がいるので、中国語が話せなくても問題なし。韓国人にとってはまさにパラダイスかと思われる望京だが、最近、望京に住む韓国人を狙った犯罪が増えてきており、望京に住む韓国人の友人は夜はあまりで歩きたくないと言う。朝鮮族の家庭教師が韓国人留学生を刺し殺したとか、カラオケボックスから出てきた韓国人がいきなり腹を刺されたとか。後者は全然顔見知りとかではなく、韓国人に恨みのある中国人が刺したらしい。
 幸い日本人が狙われたという事件は聞かない。中国における反日感情靖国神社参拝問題などによって政府がメディアを通じて人民を煽ることによって起こるので、基本的には政府間の大きな問題がその中心となる。たが、日本における嫌中感情は身近な問題から起こっているのではないか? 中国産野菜の農薬問題、中国人窃盗団、密入国者、中国人による殺人事件等等。明日にでも自分も被害者になるのではないかという不安に中国政府の強硬な態度が加わって嫌中感情となる。対中感情は当分良くならないでしょうな。中華人民共和国における対日感情は言わずもがな。反日デモが起こって一年が経つ今日この頃、そんなことを考えてみた・・・。