北京・日本電影週

 今日は朝から晩まで霧。夜中も霧。霧と言えばまだ幻想的だが、実際はスモッグだがら質(たち)が悪い。友人は喉やられてたよ・・・。おかげで気温も上がらず、最高気温は10度まで行かなかったようだ。寒いのはいやじゃ〜。週末にはみぞれ、小雪が舞うようで、ただでさえ外出が億劫になっているのに、これでは15日よりスチームが入った暖かい部屋で冬眠生活が始まってしまう・・・。
 とはいえ、人からお誘いが掛かったらすぐにでも飛んでいくのが、友達のいない僕の悲しい性ですな。今日は北京電影学院の友人から例によって映画を見に来ないかとのお誘い。勿論、行きますとも! 18日から「北京・日本電影週」なるものが始まったそうで、電影学院にて日本映画を見ることに。僕は見てないが、午前中に松坂慶子田壮壮監督と対談したそうである。僕らが見たのは夜の部(?)の映画で、《幸福開関》こと『幸福のスイッチ』と『椿三十郎』である。先月日本で上映されたばかりの作品が中国で見られるとは思わなかったなあ。
 映画上映開始前に何百人(1200人とか言う話)も入るホールが満杯になり、まずは『幸福のスイッチ』から上映スタート。例によって上映中に携帯電話の着信音があちらこちらで鳴り響き、会話を始めるのも中国ならでは・・・。『幸福のスイッチ』は正式に翻訳が成されたのではないようで、字幕がスクリーンに出るのではなく、スクリーン下の機器に訳文が出るようになっていた。後ほど友人に聞いてみると、作品によっては今日のように字幕は出るようになっているとか。訳されない箇所や訳が間違っている箇所やちょっとしたトラブルもあったが、内容は十分に分かったので観客が意味不明になることはなかったと思われる。『幸福のスイッチ』のおやっさん沢田研二)の声がでか過ぎて、耳が痛かった〜。映画自体は結構面白かったが、ちょっと自分の境遇や身の振り方を考えさせられた。そして、『幸福のスイッチ』のエンドロールに入った瞬間、「好!」の声と共に大拍手が起こったのにはちょっと吃驚した。中国人学生も良い作品だと思ったようですな。聞くところによると、良かった作品には拍手の嵐で、良くない作品にはブーイングの代わりに口笛を吹くとか。
 続いて『椿三十郎』が休憩なしで上映された。休憩なしもいつものこと。ただ、今回は『椿三十郎』のタイトルが出た瞬間に拍手拍手拍手。三船敏郎黒澤明の名前が出てくるとまたまた拍手拍手。「世界のミフネ」と「世界のクロサワ」なるものをプチ体感させてもらいますた〜w 黒澤明監督の作品は『乱』、『七人の侍』、『赤ひげ』、『羅生門』、『用心棒』等有名どころのサムライ・ムービー(?)はほとんど見ていたはずだったが、『椿三十郎』は何故か抜けていて、今日初めて見た。あっ、『影武者』も見てないな・・・。上映中は周りの中国人学生が大笑いするので、こちらも釣られて大笑い。素晴らしい演技や面白い場面では拍手と楽しい楽しい105分+98分間だった。城代家老一家のオトボケ振りが何とも言えませんな。今度DVD買ってもう一度見てみようかな。
 中国では映画・ドラマは韓国に押されまくりの日本だが、こういった活動は単発に終わらずドンドン進めていってもらいたいものであります。無茶苦茶漠然的だが、僕もそういう文化的交流に関わっていけたらいいなあと思った。ここ半年以上ずっと後ろ向き状態だったけど、ちょっと気分的に前向きになれた一日だった。謝謝好朋友! だが、相変わらず栄養のない日記だなあ。まずは継続的に、そしてまともに日記を書けるようになることから始めるべきかも・・・。