赤壁之戦

 大学内の桜が開花し、気分が良い。だが、課題のレポートは遅遅として進まず、おかげで春の到来の喜びも半減也・・・。
 呉宇森ジョン・ウー)が三国志の「赤壁の戦い」をテーマにした『赤壁之戦』の映画を撮るそうだが、そのキャストが大体決まったようで、劉備を周潤發(チョウ・ユンファ)が、諸葛亮梁朝偉トニー・レオン)が、曹操渡辺謙が演じるとか。渡辺謙曹操を演じるのはなかなか面白いかも。
 悪役・曹操を日本人が演じるので、中国の人にとって拍手喝采ものとなるなのか、それとも「偉大なる曹操さまっを日本人が演じるとは何事じゃ!」ということで、映画のボイコット騒ぎが起きるのか・・・乞うご期待!?
 どうも頭から唐国強の諸葛孔明のイメージが離れないせいか、梁朝偉が演じる諸葛亮はちょっとイメージが湧かない。梁朝偉だとちょっと頼りないような気がするのよねん。周瑜はどうする? よっぽど格好良い俳優じゃないと、納得できへんよ。二喬も美人じゃないと。謝霆鋒(ニコラス・ツェ)に周瑜をやってもらって、二喬王菲フェイ・ウォン)と張柏芝セシリア・チャン)を抜擢しますか? ははは。


 『三国志』関連でもうひとつニュースが、呉の孫権の墓室と思われる建築物が見つかったそうだ。場所は南京梅花山博愛閣付近で、漢代の帝陵建造方式に合致しているとか。『三国志』、『三国志演義』の登場人物の墓参りスキーの僕としては見に行かねばとなるまい!
 現在、南京の中山陵(中華民国の「皇帝」たる孫文の陵墓)付近の梅花山に「孫権墓」と書かれた石碑があるが、あまり目立たないので以前行った時は危うく見落とすところだった。「孫権墓」とは書かれているものの、この山全体が墓とされて、具体的な埋葬場所が分かっているわけでなく、明孝陵のように整備されてもいない。とはいえ、「孫権陵」の場所はここで間違いないようである。
 『三国志』の登場人物の墓は呉の朱然の墓以外はほとんど特定されていないので、同じ人物の墓があちこちにあるのが現状である。姜維の墓は二箇所、魯粛の墓は三箇所もある。無論どれが本物か分からないし、全部偽物の可能性も高い。韓玄の墓は長沙のとある中学校の敷地の中にあったな。一番笑えるのが、湖北省にある周倉の墓。関羽が最後に立てこもった麦城の近くにあるのだが、実在でない人物の墓とはこれ如何に? でもちゃんとお参りしてきましたよw
 閑話休題。上記の「明孝陵」は明の朱元璋の陵墓で、建築にあたって「孫権墓」に関連したちょっとしたお話がある。朱元璋が孝陵を建築する際に、工事責任者たる大臣が参道の途中にある「孫権墓」を移築しては如何ですかと朱元璋に申し出たのだが、朱元璋は「孫権も好漢である。墓はそのままにしておいて、わが陵墓の門番とさせよう」と言って参道を迂回させたのだった。おかげで孫権陵はそのまま現在まで保存されているわけだ。
 上海には毎年一度は行っているが、南京にはもう5年以上行っていない。空港や地下鉄が建設され、どんどん整備されていると言う話を聞くだけだ。南京に遊びに行くなら梅花山の梅見物が出来る今だよな・・・(もう散ったかな?)。ちなみに南京観光での僕のお勧めは、三国志関連の場所を除くなら、夫子廟の近くにある「江南貢殷歴史博物館」。所謂、科挙試験場の跡地で、試験会場は一人ずつ壁で仕切られ、その狭い部屋に入ってみると、そこで生活しつつ受験した人々の苦労が偲ばれる。館内ではカンニング用の様々な道具が展示されていて面白い(今はどうか知らないが・・・)。