廟会

廟会の吹糖

 家にいてもDVDを見るだけなので外出し、「廟会」見学をすることにした。昼間でも爆竹を鳴らす方々が沢山いるので、ちょっと気を抜いていると歩いているすぐ側でパンパンと爆竹が鳴り出す。耳が痛いやら心臓に悪いやら。我が家は病院まで歩いて1分ほどのところにあるので、病人にとってはこの上なく迷惑なことだろうと思ったが、二、三年前のとあるニュースを思い出した。ずっと病院で寝たきりで意識不明の男性が爆竹音に驚いたのか、意識を取り戻したというニュースである。爆竹を鳴らすことで「避邪」*1の効果があるということで、春節に爆竹を鳴らす風習がある中国だが、爆竹音は身体に取り付いた死神をも退散してくれるということなのか?
 閑話休題。「廟会」とは日本で言うところの縁日みたいなもので、北京では「瑠璃厰」や「東岳廟」、「地壇公園」、「白雲観」などで開かれ、獅子舞の演技、独楽回し、龍踊り、ヤンコ踊りなどの演目があり、さまざまな屋台が出る。
 上記四つの廟会は行ったことがあったので、今回は紅楼夢の舞台を再現した「大観園」の紅楼廟会に行った。入場チケットは10元也。入ってまず「吹糖」と言われる練った飴を口で吹いて豚や犬などの形に仕上げていくおじさんの周りに人垣が出来ていた(写真参照)。上手く作るもんだと感心すると共に、買っても食べたくないなと思った。ゴメンネおじさん・・・。
 日本の初詣とは違い、どこかに行って拝んだり何だりする目的があるわけではないので*2、ブラブラと大観園の中をうろつく。シシカバブイカ焼きを売る屋台は日本と似た感じで、人々の食欲をそそる。さて何を食いますか? 「氷糖葫蘆」では身体が温まらないので、何にしようか・・・。おや「炒肝」が売っているじゃないか。6元もしたが久しぶりに見たので無性に食べたくなり、一杯頂くことに。うまかった。これも北京の「小吃」*3です。
 腹も満たし、あらかた園内も見終わり、園外の屋台を見て帰りましょうかと思った14時前後に、音楽隊に導かれ明代(?)のコスプレをした人々が練り歩いて来た。観客が道脇に並んでデジカメでパチパチと撮影する様子は、博多の十日恵比須神社での芸者さんたちのかち詣りの様子を彷彿させた(言いすぎ?)。後で知ったのだが、このパレードは紅楼夢の主人公・賈宝玉の姉で皇帝に嫁いだ元春(賈妃)の里帰りの様子を再現(?)したものらしい。「嗩吶」*4の音にのり華やかな衣装で練り歩くパレードを見て、やっと農暦の新年というものを感じることが出来た。チャルメラの音は何だか気分を高揚させてくれますな。




*1:魔除け、悪霊退散

*2:ただ「白雲観」廟会では新春に触ると福をもたらしてくれるという猿の石像があるため、それを触りたい人々が東側入口に長い行列を作る。

*3:軽食、おやつ

*4:チャルメラ