再認識

 外に出ると面白いことに出会うもの。「書を捨てよ、町へ出よう」と言ったのは寺山修司だったよな。今日はまさにその通りだったかも。
 今日は香港競馬の競走馬に関する写真集(輸入品)が値下げされて売っているのを発見。これも寺山修司のお導き? 01/02シーズンの本だったので140元から30元に値下げされていたわけだが、「栄進宝蹄」*1、「愛麗数碼」*2、「黄金旅程」*3が紹介されていたので、サクッと買わせていただきました。懐かしいねえ。この日本の3頭以外は恐らく全て香港の馬なので、紹介文はあるものの「靚蝦王」*4以外の馬はわからな〜い。まあ、ぼちぼち読ませていただきます。
 この写真集はデパート内の本屋で買ったので、支払い方法は中国のデパートでの普通の払い方であった。つまり、まず、売り子に三連複写式の紙に買う品物の名前と値段と数量を書いてもらい、その紙を持って「収銀台」と呼ばれるキャッシャーにてお金を払い、「収銀台」の小姐(もしくはおばちゃん)がくれるレシート2枚を受け取り、そのうち1枚を売り子に渡して品物をもらうというものであった。てなわけで、売り子のおばちゃんに本の値段などを書いてもらってキャッシャーに逝ったのだが、結構人が並んでいたので、なかなか自分の番まで回ってこなかった。すると、売り子のおばちゃんがわざわざその本を袋に入れて僕のところまで持ってきて、一緒に待っててくれるではないか。珍しいこともあるものだと思っていると、その売り子のおばちゃんは待っている間にその本をおもむろに取り出し、勝手にパラパラとめくり始めるではないか・・・。そして一言:「全部競馬だね〜」と。いやはや、何事にも興味津々で、きっと長生きすることでしょうw
 中国の人は好奇心旺盛だと思う。ものを買うとき人の財布の中身をジロジロと見るのは当たり前だし、街中で誰かが口論、喧嘩をし始めたら、あっという間に人垣が出来る。また、興味を引く人がいたら、その人をじっと見るというか見つめる。しかも目を合わせてくるw 僕がその興味の的だった場合は、相手に負けずに目を見て、見返すことにしている。まさにどちらが先に目をそらすかの根競べ。今日はこの売り子のおばちゃんのおかげで、中国人の好奇心の強さを思い出せてよかったよかった。謝謝!
 帰りのバスの中でも面白いことがあった。終点に近づき、とあるバス停で乗客がほとんど降りてしまい、乗客が僕を含め2人になったとき、車掌のおばちゃんが何を思ったか降りていくではないか。すると次の瞬間バス停の側で売っていた焼き芋を物色している車掌のおばちゃんを発見w 乗客を待たせて焼き芋を買いに逝く・・・やっぱ中国やな〜。車掌のおばちゃんが大きな焼き芋2つを持って嬉しそうにバスに乗り込んだ際、運転手が一言:「そんなに買ってどうすんねん」と。笑わせてくれます。その後、乗り込んでくる人も降りる人もいなかったので、車掌のおばちゃんは一番前の席に座って、皮を窓から外に捨てつつ、悠々とそして美味しそうに食べたのだった。めでたしめでたし。
 でも、車掌のおばちゃんの気持ちが分からんでもない。道端で売っている焼き芋は確かにめちゃ美味いから。重さによっても違うけど、大体一個が2〜3元と安いしね。どうやって焼くのか知らないが、ドラム缶の中に入っている焼き芋はうまい具合に黄金色(中身)に焼きあがっているのである。「糖葫蘆」とともに秋冬の北京の風物詩であります。北京にお越しの際はどうぞ召し上がれ〜。