刺客

あずみ

 日本で刺客、刺客と騒がれていた八月。小池百合子氏が小林興起氏の対抗馬として擁立されたとき、小池氏を政界の上戸彩と呼ばれているなどと持ち上げたのがその発端となったみたいである。なぜなら、映画「あずみ」の主役の刺客をつとめたのが上戸彩だからなのであるが、最近、こちらでも「あずみ」のDVDが売っているのを発見し購入。8元ですた〜。勿論(?)海賊版。その中国語タイトルが「百人斬少女」・・・。ヲイヲイ、何ですかそのタイトルは〜。どうも抗日の影響を抜け切らない・・・というか、抗日戦争期のことで、反日を間接的に煽りそうな名前の付け方はやめてくれ〜。でもまあ、映画の予告編で「映画史上初の二百人斬り」とか言っているからしゃあないか? 小山ゆうの漫画でところどころで見せるちょっと間の抜けたような(失礼!)感じがあまり出ておらず、ホンマに斬って斬って斬りまくる映画でしたね。マント姿の岡本綾上戸彩ではなく)が可愛かった。
 海賊版で一番困るのは翻訳の問題。人名を適当に訳されて、「月齋」が「関西」と訳されるのはご愛嬌として、男の「なち」が「夏子」と訳された日にはどうすりゃいいの? 途中で訳がわからなくなりそうだったので、中国語字幕を日本語字幕にかえて見ました。海賊版の問題は知的財産権の侵害とか色々問題があるわけだが、こういった翻訳ミスによる文化的なミスリード、誤解を与えることも後々大きな問題になるのではなかろうかと。
 日本政府が等身大の日本(あまり好きな表現ではないが・・・)を知ってもらうために、中国向けの情報発信強化の措置として、2006年度予算の概算要求に、今年度予算の2倍近い35億5000万円を計上したというのは非常にいいことだと思う。日本の雑誌、本、アニメなどをきちんと中国語に翻訳して、情報を発信していくことで、そういったソフトを通じて日本に対する誤解も和らいでくると思う。それには政府の支援は不可欠でしょう。
 日本でも中国でも韓国ドラマを通じて韓国を知っていったように、日本も同じように日本の今を知ってもらうことが大切。いまだに「日本鬼子」や「バカヤロー」連発の抗日ドラマばかりを垂れ流す中国のテレビ局のテレビドラマ・映画を見ている中国の方々の頭の中身が変わるのには時間がまだまだかかるだろうけど、手を咥えて眺めているだけでは変わらないわけだしね・・・。
 日本のドラマなどを受け入れる土台はあると思う。知り合いの息子さん(20歳)は、「僕らの世代は日本のアニメを見て育った」と言うし、旅行中列車で同じ部屋になった会社員(24歳位)は高校生のとき、大好きな「タッチ」を見るために毎日急いで家に帰っていたと。キティちゃん人気はもう下火だが、やっとこの前サンリオショップが北京の繁華街・王府井の東方広場に進出し、また何かのキャラクターの人気に火がつくかもしれない。
 かく言う僕は何も役立ってないな・・・。僕も何か始めなくちゃ!